Inter College Animation Festival 2021

ICAF2021 Summary

ICAF2021 開催概要

フェスティバル・ディレクターからのご挨拶

■分断から共生へ

2002年に始まり今年19回目を迎えるインター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)今年は、全国から25 校の教育機関が参加し各校の教員によって推薦されたアニメーション作品は190本になりました。
去年は突如訪れた新型コロナウィルスのパンデミック下での中でなるべく人と接触を取らず孤立しながらも学びについて学生も教員も試行錯誤した日々でした。悩み踠きながらも描き出した結果がICAF2021にも映しだされるのではないかと思っています。変化する状況の中でも自分たちの未来を描こうと制作する学生達を一緒に応援していけたらと思っています。
そして毎年ICAFをサポートしてくださっている、京楽ピクチャーズ.株式会社様をはじめとする協賛企業の皆様方、そしてパブリックビューイングの会場となる国立新美術館様。社会状況が変化する中、変わらずご支援を賜り心より感謝申し上げます。分断から共生へ。学生や教員、企業や観客など様々な立場を横断しニューノーマルな未来を一緒に描く事ができればと思います。

ICAF2021フェスティバルディレクター
若見ありさ(東京造形大学)

■ICAFにしかできないこと

今年もオンラインでの開催となるICAF。いよいよ来年は20周年を迎えます。
まさに今年の入学生が生まれた年にICAFは始まり、その初期に出品した学生たちは、もう40歳前後。各業界で活躍を続け、今度は学生を教える立場となっている人もいることでしょう。第1回から数えると、参加校は延べ国内368校。上映作品は正確に計算できないものの、おそらく1,500作は下らないと思われます。途中、たとえそれまでの日常が変わってしまうような事態が起こっても、学生たちは毎年アニメーションを作り続けてきましたし、その上映を行うために、各学校が全国から費用を持ち寄り主体的に集まることで、この映画祭は続いてきました。ICAFが他の映画祭と比して、何かひとつ違う意義を持っているとしたら、まさにこの部分だと思います。

その中でも、昨年のオンライン開催は、危機的状況への対応策ではあったものの、国内はもちろん、海外へも着実に学生作品を届けられ、また全国の教育機関どうしの双方向コミュニケーションを深めるキッカケにも繋がりました。
本年度も危機的状況はまだ続いていますが、その対応にとどまらず、昨年のスタッフが苦労して築いてくれたオンライン上映を継承しつつ、その先の、これからのICAFならではの形、ICAFにしかできないことを探りながら、発展・定着させていけたらと考えています。

最後に、本フェスティバルの開催に際し、京楽ピクチャーズ.様をはじめとする20社以上の協賛企業の皆様にはご支援を賜り、心より御礼を申し上げます。また例年の会場である国立新美術館様には、配信スタジオとしての会場利用に加え、パブリックビューイングの場を設けていただきました。更に同時期に開催される文化庁メディア芸術祭様、六本木アートナイト2021様とは、連携の機会をいただきました。本年も、ICAFが充実した形で開催できたのは、多くの皆様からの様々なご支援とご協力の賜物です。実行委員会を代表し、皆様には厚く御礼申し上げます。

ICAF 2021 フェスティバルディレクター
和田敏克(東京造形大学)

若見ありさ/Arisa WAKAMI

2000年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー卒業。アニメーション作家。実話をベースにしたドキュメンタリー・アニメーション『Birth-つむぐいのち』(2015)、『Birth-おどるいのち』(2017)、『Birth-めぐるいのち』が映文連アワード優秀企画賞・個人賞、Los Angeles Documentary FilmFestivalベスト監督賞ほか多数受賞。2020年公開の長編ドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』(坂上香監督)アニメーション・パートを監督。企画したイベントに「あそびのゲイジュツ・アニメーションのせかい」(大田区民ホール・アプリコ/2019)など上映やワークショップの企画・協力も積極的に行なっている。東京造形大学准教授。

和田敏克/Toshikatsu WADA

1966年生。早稲田大学法学部卒業後、電通プロックス入社。『ビップとバップ』『冬の日第2部・冬の日の詩人たち』『スキマの国のポルタ』などの演出とアニメーションを手掛け、2011年電通テック退社。アニメーション創作グループ「G9+1」メンバー。東京造形大学教授。

名誉実行委員長からのご挨拶

■今年も特別なICAFは続く

昔の話ですが1989年のポーランドで民主化運動が起こった年のクラクフ映画祭は、国家非常事態の中、アニメーションを出品していたボクは当然中止だろうなと思っていた。ところが映画祭は敢行されて出品者にカタログがきちんと送られてきた。粗末なわら半紙のカタログだったが、映画祭の熱気を伝えてくれるには十分のものだった。文化力とはこういうものだな思った。さてコロナ禍の特別なICAFは今年も続きます。大学生活そのものも特別なものになってしまっている学生のみなさんに叱咤激励する言葉がみつかりません。なんだかヨーロッパの漫画家であるエンキビラルの世界が現実にやってきた。近頃の街を歩いているとそんな感じすら抱きます。そんな時期に課題とは言え、作品を創って発表されているみなさんはもうそれだけで拍手パチパチものです。
今年は全国の大学からどんな作品が集まってきているのか。楽しみです。残念ながら、ICAFのもう一つの目的であるリアルな交流の場は今年も持てませんが、いずれアニメーションの現場で活躍されるみなさんの素敵な動く卒業アルバムになってほしいと願います。

古川タク/Taku FURUKAWA

1941年三重県生まれ。大阪外国語大学(現:大阪大学)卒業、TCJ、久里実験漫画工房を経てフリーに。ーコマ漫画家、イラストレーター、アニメーション作家として活動、現在に至る。ICAF実行委員会名誉実行委員長。

ICAF実行委員会

フェスティバルディレクター

若見ありさ、和田敏克(東京造形大学)

実行委員

野村辰寿(多摩美術大学)
布山タルト、面高さやか(東京藝術大学)
山中幸生、細川晋、小栁貴衛(東京工芸大学)
木船徳光、小出正志(東京造形大学)
陣内利博(武蔵野美術大学)

名誉実行委員長

古川タク

アートディレクター

金晃平

メインビジュアル+アニメーション

ふるかわはらももか

WEBサイト制作

鳥山耀太(多摩美術大学)
二宮諒(東京藝術大学)

ガイドブック制作

金晃平
洞口祐輔

音楽(オープニング映像)

松本祐一(東京藝術大学)

運営アドバイザー

中野大輔

運営事務局

伊藤圭吾
中野大輔

テクニカルアドバイザー

若狭隆(リトルビット株式会社)
小町直(リトルビット株式会社)