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フェスティバルディレクターよりご挨拶

学生アニメーションの最前線、インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(ICAF)は、今年で24回目を迎えます。本年は「原点回帰」をキーワードに、学生たちが時間と努力の結晶として生み出した瑞々しい作品群を皆様にお届けいたします。ICAFの始まりは、「学生が作ったアニメーションを、みんなで集まって楽しもう」という純粋な好奇心でした。その背景には、教員たちの「学生に発表の場を与えたい」という教育的信念、そして何より「うちの学生が作った面白い作品を見てほしい」という、いわば“教え子自慢”とも言える温かな情熱がありました。

四半世紀近くを経て規模が拡大した今も、私たちの根底にある想いは変わりません。ICAFは、学生たちの情熱とエネルギー、そして彼らが時代を敏感に感じ取って表現した繊細な感性を、皆で鑑賞し、楽しみ、語り合う場所であり続けたいと考えています。

私自身にとっても、ICAFは非常に思い入れの深い場所です。学生時代には作品を上映していただき、さらにはメインビジュアルを担当させていただくなど、クリエイターとしての第一歩をこの場所で踏み出しました。私のみならず、ここから羽ばたいた多くの若いクリエイターたちが、現在アニメーションを必要とするあらゆる現場で活躍し、業界を活気づけています。ICAFが果たしてきた役割は、もはや夢物語ではなく、確かな実績となって表れています。

今年の参加校は全34校、229本の学生アニメーション作品の「最前線」が10月に国立新美術館に集結します。今年も、学生が作ったアニメーションを、みんなで集まって楽しみましょう!

フェスティバルディレクター キム・ハケン

キム・ハケン/Hakhyun Kim

東京工芸大学芸術学部アニメーション学科准教授。
東京工芸大学アニメーション学科を卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻を修了。
「MAZE KING」(2013)、「DESK BUGS」(2024)など、制作した短編アニメーションが国際的な評価を得て、多数のアニメーション映画祭で上映される。
近年では小さな作画サイズによるアニメーション制作について研究・制作中。

実行委員長よりご挨拶 「どう作るのか」ではなく、「何をつくるのか」

アニメーションを取り巻く環境は大きく変わろうとしています。生成AIの登場によって、これまで長い時間と技術を必要としていたことが、驚くほど簡単に実現できるようになりました。新しい表現が生まれる一方で、これまであった仕事がなくなったり、作り手に求められるものが変わったりするかもしれません。実際のところ、この先どうなっていくのか、私にもよく分かりません。

そんな今だからこそ、「人が作品を作るって何だろう?」ということを、以前より考えるようになりました。これからは「上手に作ること」以上に、「何を作るのか」が大事になっていくのだと思います。

自分だけが面白いと思っていること。なぜかずっと気になっていること。うまく言葉にできないけれど、自分にとっては大切な感覚。そこには、その人にしか持つことのできない創作の種があります。

その種を芽吹かせていくためには、アニメーションの技術を磨くことと同じくらい、自分自身を育てていくことが大切だと思います。さまざまな人と話し、いろいろな場所へ行き、失敗し、悩み、そして何かに夢中になる。そうやって自分の中に蓄積された全てのものが、いつか自分だけの表現につながっていくはずです。

技術や時代がどれほど変わっても、自分が何を面白いと思い、何を作りたいのかという問いは残ります。

これから何が起こるのか分からない時代だからこそ、自分が面白いと思うものを信じて、作り続けてください。

ICAFが、お互いの作品に刺激を受けながら、また次の作品を作りたくなるような場所であり続けたら嬉しいです。

ICAF実行委員長 水江未来

水江 未来/Mirai MIZUE

「細胞」や「幾何学図形」をモチーフにしたノンナラティブの短編アニメーションを創作。
ベネチア国際映画祭とベルリン国際映画祭で上映。アヌシー国際アニメーション映画祭で音楽賞とCANAL+Creative Aid賞を受賞。代表作に『MODERN No.2』『WONDER』など。
2022 年に株式会社ミライフィルムを設立。
日本アニメーション協会会長。多摩美術大学グラフィックデザイン学科・非常勤講師。

メインビジュアル紹介

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メインビジュアル
コンセプト

「みんなで集まって学生アニメーションを観る」がテーマということで、観客と作品を発表する青年の関係を重視して描きました。
学生の自分らしさやアニメーションのおもしろさを、多くの人に届けることができるICAFという空間を表現できていると嬉しいです。

イラストレーション:関根 七香

オープニングアニメーション
コンセプト

東京工芸大学の同級生の友人たちに協力してもらい制作しました。
会場で見ることとリンクする仕掛けができればと、上映画面を起点として構成しています。
ご覧いただいている観客の皆様も、ICAFの参加者として楽しんでいただけますと幸いです。

ディレクター:関根 七香
制作:井上 皓斗、橘川 翔真、関根 七香、山口 真輝
サウンド:橋本 裕充

メインビジュアル オープニングアニメーション 制作者 関根七香

関根 七香/Nanaka Sekine

2025年3月 東京工芸大学芸術学部アニメーション学科卒業。
現在、シンエイ動画株式会社にてアニメーターとして活躍中。