IKIF(木船徳光・石田園子)/東京造形大学教授・東京工芸大学教授

1979年東京造形大学在学中にユニットを組み、8ミリ、16ミリフィルムによる自主制作アニメーションの制作を始め、様々な素材や技法を用いた実験アニメーションや映像インスタレーション等を作り発表を続ける。80年代終盤パソコンのAMIGAを購入したのがきっかけで、90年以降はCGアニメーション制作の仕事に携わるようになる。一方で数々の映像ワークショップを全国の美術館などで行ってきた。現在はそれぞれ東京造形大学と東京工芸大学でアニメーション教育に携わりながら活動を続けている。
*写真は学生当時

IKIF+(アイケイアイエフプラス)
IKIFで業務としてアニメーションに関わる比率が増したため平成9(1997)年4月に会社組織として発足。3DCG制作を主とした、TVシリーズ、劇場用、ゲームのムービー等のアニメーション制作業務を行う。


Q.1 アニメーション制作を志したきっかけについて

(徳光)
大学時代にSF研究会を作ったところ、そのメンバーの影響でアニメーションを幅広く観るようになり、アニメーション研究会を結成しました。最初はいろいろ見るだけだったのですが、そのうち自分たちで企画して上映会をやるようになり、美大生だったので自動的にアニメーションを制作するようになりました。

(園子)
高校の頃、虫プロの名画祭とホルスの上映会に関わったのがきっかけでわんぱく長猫ど宝でヒルダクシナダローザ姫キャシーにいかれてアニメミーハー高校生となり果てました。アニメ部を作り、怖いもの知らずで東京ムービーにアニメの作り方を聞きに行き、共同制作でセルアニメーションを制作しました。大学に入って勉学以上にアニメ好きの人たちとわいわい活動(上記参照)アニドウの上映会に通いつめ、カナダのアニメーションに出会って個人で作るアニメーションに目覚めIKIFを作って今に至るです。

Q.2 出身校を選択した理由は? *東京造形大学出身

(徳光)
浪人したら、東京造形大絵画専攻といった風潮が当時あったので、それににのって。昔から長いものに巻かれる、ミーハーな人間だったので。

(園子)
美大でデザインを学べば職にありつけるかなと。

Q3. 在学中に頑張っていたことは?

(徳光)
マンガ研究会とSF研究会とアニメーション研究会。

(園子)
アニメーション研究会と漫画研究会とSF研究会(と課題)。

Q4. 学生当時の作品について 

(徳光)
「SCRIBBLE BORD 不定形2」
たくさん作りたいものがあったので10本くらい並行して制作していて、毎月1本の割合で完成させていました。週刊誌のように一回観て捨てていくような、気分もありました。そんな作品の中でなぜか残っている作品です。

(園子)
「CIRCLE」
大学生時代は実写ロトスコープを使った作品をいくつか作りましたが、そのうちの一つで卒制として作りました。実写のコマを分解してモノクロハイキー画像のリスフィルムに焼き、アクリル球を通してフジカZC1000という8ミリフイルムカメラで多重露光しコマ撮り。ビジュアルデザイン専攻だったので時間軸の構成をグラフ化したパネルを制作して銀座のギャラリーで行った卒展会場で、映像とパネル展示をしたのが思い出に残っています。

Q5. アニメーションを指導する教員として心がけていることは?

(徳光)
教えないこと。

(園子)
面白がること。

Q6. 昨今の学生アニメーションについて思うことは?

(徳光)
毎年期待しています。

(園子)
いい時代ですね。でも難しい時代かも。

Q7. 現在のご自身の研究や創作について

(徳光+園子)
IKIFというユニット名で実験アニメーション関係を制作しています。IKIF+という会社の代表として、3DCGを中心に、TVや劇場、ゲームのムービー等のアニメーションを制作しています。

Q8. 学生や、アニメーション制作を目指す人へのメッセージをお願いします。

(徳光)
身の回りの学生を見ていると、将来のことを悩んでいる学生が大勢います。作品を制作するには様々な力が必要なので、それ完成させるということが、結局いろいろな意味で近道になるようです。

(園子)
アニメ以外の事にも興味や関心、好奇心を持ってほしいですね。
自分を豊かにしますし、作品や仕事につながったり役立ったりしますよ。